Graduate School of Engineering
Kyushu University
Profile
交換留学(2) @フィリピン
■ 交換留学先
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地域:フィリピン, ラグナ州
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都市:ロスバノス
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大学:University of the Philippines Los Baños (UPLB)
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期間:2019年1月 ~ 2019年5月
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目的:農村社会学と農村開発学を現地で学ぶ
■ キャンパス
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マレーシアのときと同様、キャンパスは広かった。
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第2次世界大戦で日本がフィリピンを占領した際、
日本軍は、UPLBのキャンパスに拠点を構えていたらしい。 -
UPLBのキャンパスの隣には、国際稲研究所 (IRRI) がある。
IRRIは、緑の革命の稲作研究が行われた場所として知られている。
2015年12月には、平成天皇皇后両陛下の御訪問があった。 -
キャンパス内にはカトリック教会が2つあった。
国立大学の敷地内に、公立ではない宗教施設があることに驚いた。
マレーシアのUMSにも、モスクがあったが、
国教がイスラム教であるため、国立大学にモスクを設置するのは自然だと言える。
■ 学生寮
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UPLBの最も楽しい思い出の1つがキャンパス内の寮での生活である。
10畳くらいの部屋に2段ベッドが2つ並び、現地学生3人の4人で生活を共にした。
完全にプライベートのない生活であった(笑) -
寮内には洗濯機がないため、学生は洗濯物を業者に依頼するのが一般的である。
しかし、何事も経験と思い、手洗いで1学期を過ごしてみた。
■ 文化 / 民族
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フィリピン人の国民性を一言で表すと、家族を大事することである。
どこまで家族を大事にするのかと思うくらい家族思いである。 -
英語には、Thank God It's Friday (TGIF) という華金に当たる言葉がある。
しかし、UPLBの学生は、金曜ではなく木曜の晩に友だちと出かける。
これは、金曜日の夜は実家に帰るためである。
片道数時間の距離なら毎週末帰省する学生が大半だった。
大学のある筑波と実家のある横浜を年に数度しか往復しない当時の私には衝撃的だった。 -
キリストの復活際には、家族や親戚が集まり、パーティをするのが一般的である。
フィリピンの家族は、とにかくでかい。
私も現地の親友の家族パーティに参加させてもらったが、20,30人くらい集まっていた。
豚の丸焼きを生まれて初めて体験したのもこのときだった。
■ 学生運動
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UPLBの学生はみんなリベラルだった。
University of the Philippines は、フィリピンの国立大学であり、
合計で8つのキャンパスがある。イメージとしては、旧帝国大に近い。 -
規模こそ大きくないが、毎週のように、キャンパス内の広場や入り口で、
政治的なデモが開催されていたことにとても驚いた。
■ 授業
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フィリピンでは、講義と実習がセットになっている。
日本では、講義と実習は別の授業として履修することが多い。 -
実習では、山奥にあるいくつかの農村に足を運んだ。
道路が整備されておらず、車が通行できないため、
子どもたちは学校に通うに険しい山道を片道1時間ほど歩く必要があった。
また、生活必需品は、馬を用いて運んでいた。
■ スラム
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フィリピンは、スラム街が有名である。
実際に私も、大小さまざまなスラム街に足を運んでみた。 -
マレーシアと比較し、格差が大きいというのが街中での肌感覚だった。
実際に、格差指標の1つであるGINI係数を比べてみても、
客観的にフィリピンの方が所得格差が大きいと言える。
もう1つの肌感覚は、フィリピンの方が、絶対的貧困者が多いという印象だった。 -
データを扱う研究者として、現場を歩いて感じる感覚と客観的指標が表すものの
類似点や相異点を確認していくことの必要性を実感することができた。